雑誌「SWITCH」では2月20日発売の最新号で、昨年12月にウィーン国立歌劇場で上演された150周年記念公演オペラ「オーランドー」の衣装を手がけたコム デ ギャルソンを特集する。同誌の発売に先駆けて、今年1月18日にパリで発表されたコム デ ギャルソン オム プリュスの最新2020年秋冬コレクションをレポート。
1月18日、パリ8区にあるコンサートホールSalle Pleyel(サル・プレイエル)のエントランスでCOMME des GARÇONS HOMME PLUS 2020秋冬コレクションが発表された。
ホールのエントランスには真っ赤な絨毯が敷かれ、ランウェイは白い板でコントラストを際立たせている。テクノサウンドが鳴りはじめ、ライトがランウェイを照らした。
5人のモデルたちが一斉に登場し、軽い足取りの彼らは踊るようにランウェイを円を描くように自在に行き来した。その速度はゆったりとしてまるで公園で追いかけっこをしている少年たちのようにも見えてくる。
ストライプ、チェック、タータン、レオパード、スターやダイヤとピンク、赤、紫、青、と色とりどりのプリントがパッチワークされ、異なる色とテキスタイルが白い舞台に重なり合うように展開されていく。
テーラージャケットは裏表が逆となり、本来内側にあるブランドのロゴやポケットが外側にある。これも少年の無垢な世界への扉なのか。インナーは色鮮やかなクラシックセーター、正面が3つにざっくりとカットされた花柄のものもあった。
ボトムスはレインボーのボーダー、赤いチェックが印象的で、レギンスのように肌に密着しているタイトフィットのもの、レオパード柄のショートパンツ、スカートもラインナップされている。モデルのヘアスタイルはクレオパトラを彷彿とさせるブロンドと黒のブレイドヘア。ターコイズブルー、オーキッド、ブロンドのカラフルなロングヘアウィッグを胸元にネックレスのように付けているモデルもいた。シューズは甲の中心にチャックがあるものと、スニーカーの2種類。
コレクションの後半には、カット、色、サイズが異なる三つのジャケットを重ね着したようなスタイルが登場し、肘の部分が縦にカットされ3色が虹のようにも見えてくる。赤いチェックのコートにはコムデギャルソンと大きくロゴの入ったテキスタイルがベストのようにパッチワークされている。
コレクション時間は15分、全部で32体。パターンと色が入り乱れ、咲き誇った今回のHOMME PLUS、まるで子供がハサミで切った色画用紙にクレヨンで絵を描き、それをつなぎ合わせて一つの創造物を作り上げたような遊び心を感じさせるものだった。