アディダス オリジナルスは今夏より、新たなフットウェアコレクション「Clean Classics(クリーンクラシックス)」を発売した。本コレクションではブランドを代表する「SUPERSTAR」「STAN SMITH」など世界中で愛されている名作モデルが、リサイクル素材を使用したサステナブルシューズとして生まれ変わっている。
2024年までに製品に使われる全てのポリエステルを、リサイクルポリエステルに切り替えることを宣言しているアディダスは、これまでもブランドとして様々なサステナブルなアイテムの開発を行ってきた。
海洋保護団体「Parley for the Oceans」との取り組みで生まれた「Parley」シリーズおよび「Primeblue」シリーズでは、離島の海岸や海沿いの地域で回収されたプラスチック廃棄物を再利用したエコフレンドリー素材が組み込まれたシューズを展開している。また、昨年は100%リサイクル可能なランニングシューズ「FUTURECRAFT.LOOP」の開発を発表し、大きな話題となった。
今夏より発売された「Clean Classics」は、アディダス オリジナルスとしては初めてとなるサステナブルコレクションだ。担当の古谷佳祐氏に「Clean Classics」に込められた思いを訊いた。
「Clean ClassicsはSUPERSTARやSTAN SMITHなど、アディダスの代表的なクラシックモデルに、リデュース・リユース・リサイクルというコンセプトを反映させたコレクションです。素材の消費を抑えるため、新たなパターンを再設計しました。アウトソールにはゴムの木から抽出した天然ラバー90%とリサイクルラバー10%を配合した素材を使用、アッパーの70%以上にもリサイクル素材を組み込んでいます。また、シューレースにもリサイクルポリエステルやリサイクルペーパーを織り交ぜるなど、環境負荷の少ないプロダクトを目指しました」
クラシックシューズとして定番のデザインはそのままに、本コレクションならではの変化も加えられているという。
「製造過程で極力無駄なゴミを出さないよう製造しているので、例えばヒールパッチは綺麗に揃えるのではなく、ある程度切りっぱなしの状態になっているモデルもあります。アウトソールに関しても、エコフレンドリー素材のゴムだからこその独特な模様が生まれていて、環境にも配慮しつつ、デザイン的にもアップデートされています」
昨今こそ「サステナブル」という言葉は世界的なトレンドとなり各企業がそれを意識した活動を行っているが、アディダスは世界的なアパレルブランドとして、どこよりも早く、大きく「サステナブル」を意識した取り組みに努めてきた。1998年から製造工程におけるPVC(ポリ塩化ビニル)を含む有害物質の使用制限を開始し、2004年にはサステナブルコットンの使用も始めた。今年から日本でもレジ袋有料化が始まり、消費者の意識も変わりつつあるが、アディダスではいち早く2016年に全世界の店舗でビニール袋を撤廃。昨年からは新たに全国の直営店で不要なアパレルやスニーカーを回収し、リユース・リサイクルする「テイクバックプログラム」もスタートさせた。
プロダクトの製造以外の領域でも、常に地球環境への配慮の意識を持って広範囲の取り組みを行ってきたアディダス。だからこそ逆に、この地球全体の環境を救うためには、アディダスだけではなく人類全体の協力が不可欠であることもわかっている。
「今回のコレクションの一部には『This shoe alone will not save the planet.』というメッセージがプリントされています。『この靴だけではこの星は救えない』。もちろんその言葉通りではありますが、この言葉にはアディダス オリジナルスのクラシックシューズという、全世界の幅広い世代の方に愛される靴だからこそ、みなさんの意識に大きな影響を与えられるのではないか、そんな期待も込められています。みなさんにもこのシューズを履いてもらうことで、無駄のない未来をつくるアクションを起こすきっかけにしてもらえたらと思います」