3月15日発売のCoyote No.76は「沖縄の夢」と題して、今年5月15日に本土復帰50周年を迎える沖縄を特集します。
2022年3月15日刊行
多くの人を惹きつけてやまない沖縄の魅力は、豊かな自然だけではありません。沖縄には、その土地の自然が与えてくれるものに沿って生きるという、暮らしの基本となる大切な教えが息づいています。
それは目に見えないものを大切にし、自分の鼻や耳や舌を信じることでもあります。そして琉球王国時代からの異国との交流を通して育まれてきた多様な文化の中に、沖縄の人のたくましさを垣間見ることができます。
今号ではそんな沖縄の人たちの暮らしに焦点を当て、沖縄が誇る伝統工芸「芭蕉布」をはじめとする衣・食・住の視点から改めて沖縄の魅力に迫りました。
沖縄復帰五十年 文化と政治の間の長い
池澤夏樹
1994年から2004年まで沖縄で暮らした作家・池澤夏樹による特別寄稿。土台から異なるという沖縄の文化と、複雑に絡み合う政治を紐解きながら沖縄の50年を語ります。
帰郷 祖母と過ごす時間
二階堂ふみ
沖縄出身の女優・二階堂ふみの里帰りに密着したドキュメントを18ページにわたって掲載。おばあちゃん子だった二階堂ふみが、祖母を連れて幼い頃の記憶を辿りながら思い出の場所を巡る大切な時間を、操上和美の写真とともにお届けします。
喜如嘉の芭蕉布 布は語る
平良敏子 平良美恵子
日本の重要無形文化財に指定される沖縄の伝統の布「芭蕉布」。その復興に尽力してきた平良敏子に話を訊きました。今年で101歳を迎えてもなお現役を貫く人間国宝の手仕事を通じて、自然が常に一番上にあること、そして自然に沿って生きることの大切さを伝えます。
酔夢行
見て、聞いて、触って、思い出した沖縄。
黒田征太郎
見たい、触れたい、そして人に会いたい—— 。そんな思いに誘われるように、画家黒田征太郎は旅先で出会う動物や人々の営みを次々に描いていきました。自身約10年ぶりとなる沖縄旅の模様を、スケッチとドキュメントでお楽しみください。
石川真生 沖縄2022
約半世紀にわたって沖縄の人々を撮り続けている写真家石川真生。その代表作と共に、基地問題に揺れる人々の姿を捉えた近作をご紹介します。
おいしい景色 特別編
ミナ ペルホネンを主宰するデザイナー皆川明が器を選び、料理家坂田阿希子が料理で彩る。雑誌『SWITCH』の人気連載「おいしい景色」の特別「沖縄」編を掲載。
コンクリート建築が語る沖縄モダニズムとアニミズム
沖縄の風土と米軍基地を構える特殊な環境が生んだ、彫刻のようなコンクリートで作られた街並み。その特異な景観を紐解いていくことで、ひとつの沖縄の戦後史が見えてきました。
【新連載】賢治再訪としての「よだかの星」
イッセー尾形
俳優・イッセー尾形による新連載がスタート! 日本の一人芝居の第一人者とも評される著者が、宮沢賢治の名作「よだかの星」を独自の視点から解釈して、新しい物語を創造します。
<以下、全コンテンツ一覧>
Coyote No.76
CONTENTS
特集
沖縄の夢
Cover Photograph by Tarumi Kengo
10
池澤夏樹
沖縄復帰五十年
文化と政治の間の長い
14
帰郷
祖母と過ごす時間
二階堂ふみ
写真=操上和美 文=新井敏記
32
document
喜如嘉の芭蕉布
布は語る
平良敏子 平良美恵子
写真=垂見健吾 文=新井菜津
50
酔夢行
見て、聞いて、触って、思い出した沖縄。
黒田征太郎
62
photo story
石川真生 沖縄2022
デザイン=町口景
78
おいしい景色
皆川明 坂田阿希子
写真=日置武晴
84
コンクリート建築が語る
沖縄モダニズムとアニミズム
写真と文=尾形一郎 尾形優
88
essay
与那国馬と二人の女性
池澤夏樹
写真=垂見健吾 河田桟
98
五十嵐大介
光と雨の島を歩く
3
for Readers
134
新連載 第1回
イッセー尾形
賢治再訪としての『よだかの星』
106
ORION BEER
オリオンビールの夢
112
SARAYA
キッチンからやさしさを
118
HaaT
しなやかに紡がれるもの
写真=鶴田直樹
128
ISLAND TRIP for SDGs
次世代に残したい島の暮らし
写真=谷口京
132
Foxfire
True to nature
Vol.10 佐藤岳彦
140
森へ 第5回
青木奈緖
写真=松本洋 青木奈緖
148
interview
角幡唯介 旅の白地図
154
最初の一歩 第76回
小島ケイタニーラブ
絵=水翠
158
谷川俊太郎 詩
ハダカだから
絵=下田昌克
2022年3月15日刊行