俳優・吉沢亮がグランドセイコーブティック表参道ヒルズで触れる日本の美と技

吉沢亮がグランドセイコーブティック表参道ヒルズで触れる日本の美と技。
デビュー15周年を迎えた吉沢が腕時計に心惹かれる理由とは

PHOTOGRAPHY: KURIGAMI KAZUMI
TEXT: SWITCH
HAIR & MAKE-UP: KOBAYASHI MASANORI
STYLING: ARAKI DAISUKE
FILM: GOTO TAKEHIRO

INTERVIEW
吉沢亮｜細やかさに宿る美意識

今春新たにオープンしたグランドセイコーブティック表参道ヒルズの店内には壁面いっぱいに映像が映し出され、訪れた者たちを大通りの喧騒から一気にグランドセイコーの世界へと誘っていく。ブティックを訪れた吉沢は、「癒されます」とその静謐さに安堵の表情を見せた。

「日本を感じる空間で素敵だなと思いました。映像もすごく静かで、一度全部消えてまたパッとつく瞬間が綺麗でした」

グランドセイコーの腕時計は、その一本一本に日本ならではの技巧や感性が生きている。ブティックに並ぶ腕時計を見て、吉沢は「シンプルだけど存在感を感じるデザイン」と表現した。

「1ミリほどのほんの僅かな違いや、表には見えない部分へのこだわりは日本のものづくりならではなのかなと思います。派手さとかではない、細やかさに宿る美意識といったものをすごく感じます」

この日吉沢が着用した腕時計は、グランドセイコーを代表するエボリューション９コレクションの「SLGA021」。夜明け前のそよ風に揺らぐ諏訪湖の水面から着想を得た本モデルのダイヤルデザインは、風にそよぐ水面を想起させる。吉沢はそのダイヤルをじっくり眺め、「美しいですよね」と呟いた。普段から腕時計には心惹かれるのだという。

「腕時計は、もちろん見た目も好きなんですが、そもそも時間を見るものとしてちゃんと機能しているじゃないですか。他のアクセサリーと違い、腕時計はおしゃれなだけではないので着けやすいです。あと僕はアンティーク時計が好きで、作られた背景や歴史を聞いているとどんどん惹き込まれるんです。歴史が好きなんでしょうね、多分（笑）。腕時計は当時から今まで型がほぼ変わっていないじゃないですか。細かい部分は変わっていると思いますが、その普遍的な形をずっと作り続けているところも、すごく素敵だなと感じます」

今年デビュー15周年を迎えた吉沢は、この15年間で数多くの作品に参加。俳優として鍛錬を重ね、その道を突き進んできた。21年には大河ドラマ『青天を衝け』で主人公・渋沢栄一の生涯を演じ切った彼だが、その経験は自身にとって掛け替えのないものだと教えてくれた。

「ターニングポイントと呼べる作品はたくさんありますが、どれか一つと言うとやはり大河ドラマかな。共演者の方々も本当に素晴らしい人ばかりでしたし、いろんな新しいことに挑戦もしました。あの現場で学べたことは相当大きかったなと思います。ものすごく大変ではありましたが、その分楽しかったです」

自身を突き動かすもの、それは作品との出会いだと吉沢は話す。

「ずっと作品のことを考えてしまうといっぱいいっぱいになってしまうので何もしない時間も必要なのですが、僕はお芝居をすること自体が好きなので、結局は作品からモチベーションをもらっているのだと思います。作品自体が持つパワーに突き動かされているというか、“絶対にやりたい”と思える作品と出会えることに喜びを感じます。今の僕にはなりたい俳優像は特にないのですが、ただ自分の作品をちゃんと愛していたいと思っています。若いうちは“今はこういう作品も必要だよね”と作品を決めることもあると思うのですが、そうではなく、その作品をどれだけ愛せるか、自分の感情に正直で在りたいなと。俳優は感情が大切な仕事だと思いますし、“素直に生きる”がこれからの目標です」

自らの内奥と対峙する。そうすることで、一人の俳優はいよいよ成熟期へと歩みを進めようとしているようだった。そんな吉沢の“今”を、グランドセイコーの腕時計が力強くたおやかに刻んでいく。