静岡の蒸溜所が造る地元愛溢れるウイスキー

こだわったのは、“静岡産”であること

静岡県にある「ガイアフロー静岡蒸溜所」は、通称“オクシズ”(奥静岡エリア)と呼ばれる自然豊かで山深い場所に位置しており、静岡らしいウイスキーを生み出すというコンセプトのもと2016年にウイスキー造りを開始した。原材料である大麦の産地を明確にする蒸溜所が少ない中、静岡蒸溜所は2018年から静岡県産の大麦を使用したウイスキーの仕込みを実験的に開始。当時県内には大麦栽培をしているところはほぼなかったため、地元農家と試行錯誤しながらの挑戦だった。今では本蒸溜所で造られるウイスキーの年間生産量の2割ほどが県内産の大麦を使用したものとなっている。

そんな静岡蒸溜所では現在、さらなる新たな取り組みが始まっている。それは熟成樽の材料に静岡産のミズナラを使うというプロジェクト。熟成樽が出来るまでには、製材、乾燥、製樽といった工程があるが、ミズナラは曲がり木が非常に多いため、樽造りには熟練の技術が必要とされる。その後1年以上をかけてしっかりと乾燥させた上で、ようやく樽の成形作業に入ることができる。

本プロジェクトの開始からおよそ3年にして、完成したミズナラ樽に原酒を樽詰めしていく作業が行われた。ミズナラ樽で熟成されたウイスキーは、お香のようなオリエンタルな香りが特徴で、その独特な香りと味わいで世界的な人気を誇る。このウイスキーが数十年後熟成を経て、どんな深みのある味わいに変化していくのか、今から待ち遠しく思う。

詳細はガイアフロー公式サイトまで。gaiaflow.co.jp