ヴァン クリーフ&アーペルが支援する「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」——14日間限定の特別講座が好評の内に終了

ハイジュエラーのヴァン クリーフ&アーペルが支援する「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」が、2/23〜3/8まで東京で2度目となる特別講座を開校。京都造形芸術大学の外苑キャンパスで開催された。

TEXT: UTAHARA CHISE

一般の方々に広く、ジュエリーの世界に触れてもらうことを目的に、2012年にパリのヴァンドーム広場にて創設された教育文化機関であるレコール。パリに拠点をおきながら、“旅する学校”として2013年の東京を皮切りに、香港、ドバイ、ニューヨークなど、毎年様々な都市へ学びの世界を広げてきた。

そんなレコールでは大きく分けて3つ、「サヴォアフェール〈匠の技〉」、「ジュエリーの歴史」、「原石の世界」の講義を、事前の申込で誰でも受講することができる。フランスの伝統から培った職人技や、普段私たちが中々知ることの無いジュエリーに関する歴史の数々など、魅惑的で興味深いテーマについて、ハイジュエリー職人や専門家から直接指導を受けられるのが特長だ。また、どの国で行なわれる特別講座でも、パリ本校の講義内容をそのまま受講することができる。

この6年ぶりに開催された今回の東京での講座のうち、ジュエリー制作の最初のステップであるワークショップのクラス「デザインから模型制作まで」を、当記事のために特別に体験させてもらうことができた。

摸型制作のワークショップでは、錫(すず)でできた一枚の板から立体的な蝶のモチーフを作る工程に挑戦する。

ひとつのテーブルに生徒は3名、そこに専任の講師が1名付く。導入ではその講師のアドバイスのもと、糸鋸の使い方や切り込みの作業の練習をおこなっていく。

まずはじめに行う練習は、板に印刷された練習用の線に沿って糸鋸で切り込みをいれ、板を切断する作業。直線の切り込みは難易度も低く、線に沿って正確に進めることができたのだが、曲線が中々に難しい。糸鋸を一定のスピードで上下に動かしながら、切り込みをいれたい曲線にあわせて板を動かす必要があり、それぞれのスピードが噛み合わないと糸鋸が止まってしまったり、切らなければいけない線を大幅に超えてしまったりと、思うようにカットできないことも。そんな時は、動かし方のコツを講師に直接訊ねることで課題をクリアすることができた。

いくつかの練習を終え、いよいよ実践へ。

実践では、板に印刷されている蝶の形に合わせて切り込みをいれていくのだが、曲線が多く、細かい作業が増えるため難易度もぐっと上がる。途中何度か作業が行き詰まることもあったが、その都度講師からは的確なアドバイスが与えられ、またこちらの疑問点にも丁寧に答えてくれるので、不安無く作業を進めることができた。

1時間程で、なんとか錫の板から蝶の形を切り出すことに成功する。その後ペンチで羽の部分を曲げたり、ヤスリで全体を研磨する工程を経て、立体的な模型へと仕上がった。最後に、小さなドリルを使ってラインストーンを自分好みの場所にレイアウトし、合計2時間程で蝶のジュエリー模型が完成した。

手本通りに進めることが難しく、決して美しいとは言えない出来ではあったが、時間をかけて完成させた模型を見る度に、ジュエリーの美しさの裏側に隠された緻密な職人技を知ることができた、この貴重な経験を思い出すだろう。

東京での次回開催は未定だが、本場パリでの講義は随時開催されており、日本からの申し込みも可能。ぜひ、レコールが届ける職人技と宝石に対する愛、そしてハイジュエリーの歴史を学ぶ旅を体感してみてほしい。

【問い合わせ先】
公式HP:www.lecolevancleefarpels.com
メール:contact@lecolevancleefarpels.com
電話番号:+33(0)170 70 38 40