今年デビュー10周年を迎え、1月に最新アルバム『BOY』を発表したOKAMOTO’S。ギタリストのオカモトコウキにとってThe Whoは十代の頃から憧れのバンドだったという。そんな彼が考えるThe Whoの魅力、そしてDr.Martensと音楽の関係性とは。
PHOTOGRAPHY: YAMADA MASASHI
TEXT: ITAKO JUNICHIRO
The Whoは僕にとってのヒーロー
The Whoに出会ったのは中学生の頃、軽音楽部に入って仲間といろいろな音楽を聴き漁っていた時期。最初に聴いたのはファーストの『My Generation』。60年代の他のビートバンドはブルースを発展させた音が多かったけど、The Whoは少し違い、すごくポップで、でもパンクな感じもあって印象的でした。音楽的な部分もそうだけど、一番魅かれたのは、彼らが十代の鬱屈とした思いを表現していたということ。たとえばストーンズなんかはカッコいいミュージシャンがロックをやっているという感じだけど、The Whoはビジュアルもそんなにイケてないし、不思議と感情移入しやすかったんです。それ以来、The Whoは僕にとってのヒーローになった。2008年に来日公演が武道館であって、どうしても観たくて大学受験を蹴って観に行ったぐらいです(笑)。
The Whoのファッションからも影響を受けたと思います。初期の彼らはモッズスタイルのスーツを着ていたけど、60年代後半にフラワームーブメントが興ってカラフルで着飾ったファッションが世界的に流行り始めると、いきなりツナギを着て足元はDr.Martensというスタイルに変わった。それはきっと、“見かけのファッション性ではなくもっと音楽を大事にしようぜ”という、世の中に対するアンチテーゼ的な意味合いがあったんじゃないかな。そうしたスタンスは後のパンクにも受け継がれ、時代を超えて僕ら現代のミュージシャンにも影響を与えている。Dr.MartensのブーツはThe Whoのアティチュードを象徴するアイコンなのかもしれない。
Dr.MartensとThe Whoのエピソードで大好きなものがあって。ウッドストックのライブ中に活動家みたいな人たちがThe Whoのステージに上がってきて、演説しようとするんです。そうしたらピート・タウンゼントがそいつらを蹴り飛ばしてステージから押し出してしまう。その時のことをピートは自伝で「ライブを邪魔しようとする奴らが来ても俺のDr.Martensはビクともしなかった」と書いていて。最高ですよね。
個人的にもDr.Martensのブーツは愛用しています。2014年にロンドンに行った時にはDr.Martensのショップにも行きました。そこは店の2階にブーツの工房があって、置いてあるアイテムもそこでしか買えない貴重なものがたくさんあった。普通はタグが黄色なんですけど、青いタグのブーツがあったり。スタッフの方も親切でいろいろオススメを教えてくれて。それで一足買おうと思ったら手持ちが足りず……急いでATMを探してお金を下ろして(笑)。結果、無事に買えたのでよかったです。
今年10周年を迎えてリリースしたOKAMOTO’Sの『BOY』というアルバムは子供と大人の狭間で揺れている自分たちをありのままに落とし込んだ作品で、The Whoの在り方に通じる部分もある。以前作った『OPERA』というアルバムもThe Whoのロックオペラ『Tommy』にインスパイアされたものでしたし、やっぱり自分にとってThe Whoは特別なバンドなんです。
オカモトコウキ 1990年東京生まれ。中学からの同級生4人でOKAMOTO’Sを結成。2010年にアルバム『Here are OKAMOTO’S』でデビュー。今年デビュー10周年を迎え、アルバム『BOY』を発表。6/27に初の日本武道館ライブを行う
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www.drmartens.com/jp
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