昨年より新たに「LIVE WITH NATURE」というコンセプトを立ち上げたフランス生まれのライフスタイルブランド「AIGLE」。自然に寄り添うライフスタイルの提案を謳ったそのコンセプトのもと、昨年には森林保全団体「more trees」への支援を目的としたチャリティTシャツが発表された。そして、本日7/21にその第二弾が発売された。担当のAIGLE中垣氏に、今回発売されるコレクションに込められた思いを訊いた。
—— 「more trees」との取り組みですが、こちらはそもそもどういった経緯でスタートしたプロジェクトなのでしょうか。
「more treesが進めている森と人、そして都市を繋ぐ取り組みが、“まちと自然をつなぎ、寄りそってきた”AIGLEと非常に親和性が高かったことがまずきっかけとしてありました。そこから森林保全活動を支援するためのAIGLE製品の提供や、more treesのグッズをAIGLEのノベルティとして採用するなど、more treesへの支援を目的として様々な活動を始めていきました。昨年それらの取り組みをより一歩踏み込んだ形にしていこうということで売上の一部をmore treesに寄付するチャリティコレクションを発表しました。おかげさまで前回が大変好評だったので、ご期待にお応えするかたちで今年もコレクションを発表する運びとなりました」
—— 昨年発売されたTシャツはパリ在住の写真家、宮本武さんのフィルム写真をプリントしたデザインでした。今回のTシャツのイラストにフランス人のイラストレーター、イザベル・ボワノさんを起用しています。
「“自然”を表現するクリエイターの方を探していく中でイザベルさんと出会いました。日本でも幅広く活躍されていてファンも多く、イラストのテイストにもAIGLEの理念とすごく近いものを感じました。日本とフランスの架け橋となるようなアイテムにしたいという思いもあったので、日本でのお仕事もされているイザベルさんの起用というのは、まさにぴったりな人選でした。Tシャツにはシダやイチョウなど、日本とフランスどちらの森にも植生する様々な木の葉のイラストがプリントされています」
—— イザベルさんの起用以外でも、前回のTシャツと変わった部分はありますか?
「永く使ってもらえるものを提案したい、という思いで、Tシャツとしてのクオリティを最大限高めるよう素材を厳選しています。前回は写真のプリントが綺麗に写るように、リサイクルポリエステルを生地として採用したのですが、今回は着心地に安心感がある厚い生地のオーガニックコットンを使っています。あとはカラーリングですね。LISERON(白)とHENNEという色の2色展開なのですが、HENNE色の絶妙な暗い赤茶色に注目していただきたいです。この絶妙な発色がAIGLEの真骨頂でもあります」
—— 今回はTシャツに加えて、トートバッグの展開もあります。
「前回のTシャツが好評だったので、お客様に日々使ってもらえるものを、ともうひとつアイテムを増やすことにしました。そこで幅広く使ってもらえるバッグをつくることになったのです。トートバッグにはイザベルさんによるmore treesの森をイメージしたイラストと手書きのロゴがプリントされています」
—— このTシャツの発売を記念して、21日から「LIVE WITH NATURE」のスペシャルコンテンツがWEBで公開されます。これはどんな内容でしょうか。
「AIGLEが提案する“自然に寄りそうゆたかな暮らし”というコンセプト。それを実践している人たちの生活に密着し、その魅力を紹介します。全部で3回の連載となっており、21日から1週間ごとにそれぞれのコンテンツを公開していきます。第1回は、more treesの森がある宮崎県諸塚村。森とともに生きる村の人々の暮らしを紹介します。第2回はフランスのアングレームに住む、今回コレクションのイラストを担当したイザベル・ボワノさんのライフスタイルを紹介する内容です。第3回は山梨県道志村で農作業に勤しむモデルのShogoさんの暮らしに密着しています。Shogoさんとは、彼の東日本大震災復興支援のボランティア活動にAIGLEが支援してからの繋がりになるのですが、今はモデル業の傍ら山梨と神奈川に畑を借りていて、都市と自然のデュアルライフを実践されている方ということで今回登場いただきました」
—— AIGLEは様々な自然環境保全の取り組みを行っています。「LIVE WITH NATURE」は日本独自のプロジェクトですが、グローバル全体ではどのような取り組みをされているのでしょうか。
「“自然に寄りそうゆたかな暮らし”という今も我々が提案しているその理念は創業当時から変わらずにあるものです。我々はまちと自然をつなぎ、寄りそうブランドとして、長靴をはじめとして生活を快適にするためのアパレルやフットウェアを提供してきたので、常に自然での活動をサポートしてきた歴史はあるのですが、近年ではより具体的なアクションとして、『AIGLE POSITIVE IMPACT』というプロジェクトをスタートさせました。2022SSコレクションではアイテムの58%が環境への配慮を生産背景に持つ素材を採用予定です。その他にもAIGLEの行動計画、エネルギー消費の面を見直し、温室効果ガスの排出を2030年までに現在の46%削減することを目標に掲げています。また、昨年12月にはフランスで制定されたPACTE法に基づき導入された『Entreprise à Mission(Purpose driven company / 使命を果たす会社)』になりました。これによって、我々が社会や環境に対してポジティブな影響を与えていけるよう模範たる活動をしていこう、という意識がより高まっています」
—— 最後に、今回のコレクションを着用される方へメッセージをいただければと思います。
「前回のTシャツの反響で、デザインと着心地が良いので愛用しているというお声を多くいただきました。これはライフスタイルブランドとしては非常に嬉しいことでした。今回のコレクションもまずは純粋にデザインや機能、触り心地など“服”としての価値の部分を気に入っていただけたら嬉しいです。そこから、例えば自然環境に対して配慮するために自分は何ができるのか、more treesってどんな活動をしている団体なのか、少しでも興味を持っていただき、自然と寄りそう暮らしを考えるきっかけとしていただければ嬉しいです」
今回発売されるコレクションの売り上げの8%はmore treesに寄付される。
また、7/21よりAIGLE原宿店にてイザベル・ボワノの作品を展示するほか、隈研吾デザインのmore treesのつみき、フラワーサイクリストRINの作品をミックスしたインスタレーションが展開される。特設サイトでも公開中の「LIVE WITH NATURE」のコンセプトムービーも流されるので、そちらもお楽しみに。
more treesについて
音楽家・坂本龍一が代表を務める森林保全団体。国内外18カ所に、地域と協働で森林保全を行う「more treesの森」を展開するなど「都市と森をつなぐ」をキーワードにさまざまな取り組みを行っている。
https://www.more-trees.org