FROM EDITORS「ぼくは植草甚一さんが好き」
写真家の荒木経惟さんが蔵書一式とポスター類などを寄贈したという福岡県の九州産業大学を訪ねた。管理は芸術学部教授大日方欣一さんが行っている。九州産業大学は荒木さんを師事 している写真家野村佐紀子さんの出身校というご縁で荒木...
写真家の荒木経惟さんが蔵書一式とポスター類などを寄贈したという福岡県の九州産業大学を訪ねた。管理は芸術学部教授大日方欣一さんが行っている。九州産業大学は荒木さんを師事 している写真家野村佐紀子さんの出身校というご縁で荒木...
机の傍にいつも岩波文庫の谷川俊太郎さん選による「茨木のり子」の詩集がある。真夜中原稿に向かう時にどのページでもいいから一篇読んでみる。読むとなんだか背筋の伸びた気がする。頭の体操なのだ。谷川さんによる茨木さんの詩の解説も...
一月のはじめ、かつて朝日新聞で記者をされていた外岡秀俊さんの死を新聞記事で知った。亡くなったのは昨年の12月23日、享年68。 外岡さんとは沢木耕太郎さんの紹介でお目にかかったことがある。1980年代後半のことだった。食...
SWITCH TV『追憶の瀬戸内寂聴』の映像に重ねる曲を、12月のある日選んでいった。例えばグレン・グールドのバッハ『ゴールドベルク変奏曲』から「Aria」、グールドの演奏は1981年版と1955年版があり、演奏の長さが...
瀬戸内寂聴さんに初めてお目にかかったのは2007年9月のこと、藤原新也さんの紹介で改装前のパレスホテル1階のカフェだった。この時寂聴さんは85歳だった。 僕は2001年に発表した『場所』という作品が好きだった。得度前の瀬...
この春から夏にかけて彫刻家イサムノグチの展覧会が、東京都美術館で行われた。大型の彫刻をはじめ、およそ90の作品が集まった。自然と通底する抽象のフォルム、いつか訪れたいと思っていた香川県高松市の牟礼町で晩年イサムノグチが制...
盛岡に行った夜のこと、地元の方の案内を受けて「東家」というそば屋で夕食を取った。東家は創業明治40年、わんこそばでよく知られた店だ。盛岡も緊急事態宣言が出ていて、20時までの営業。既に19時をまわっていたのでわんこそばは...
茨城県の筑波山麓の親戚の農家では十五夜になるとおはぎを作る。 「大麦あたれ、小麦あたれ、三角はってそばあたれ」 子どもたちは棒状にした藁で地面を叩きながら、歌い、近所の家々を回る。歌は秋の豊作を祝うものだ。地面を叩くこと...