PHOTOGRAPHY: SHINTO TAKESHI
TEXT: ITAKO JUNICHIRO
変化し続ける音楽シーンという“荒野”に足を踏み入れ、新しい音楽を生み出そうとしている次世代のアーティストを紹介。WEBのみのスペシャル企画として、6/5にニューアルバム『21世紀より愛をこめて』のリリースを控えるTempalayのインタビューを実施した
『21世紀より愛をこめて』より、リード曲「のめりこめ、震えろ。」が先行配信スタート!
DNA MUSIC
Tempalayの“ユルさ”と“過激さ”の核にある30曲
久石譲、リップスライムといった邦楽からジミヘン、レッチリなどの洋楽まで、フロントマン・小原綾斗が幼少期から現在に至るまで聴き漁ってきた古今東西の名曲の数々
INTERVIEW
これからの時代に必要なのは想像力
Tempalayと言えば、ローファイでサイケデリックなサウンドとユーモア溢れる歌詞が特徴というイメージがあったが、2018年にサポートとしてバンドを支えてきたAAAMYYYが正式加入して以降、彼らのサウンドはより自由度を増し、バンドの規模感も確実に変化している。
「単純にこれまでよりステージのサイズがデカくなっていることは感じます」(藤本夏樹/Dr)
「俺ら自身は何も変わってないけど、バンドを取り巻く周囲の状況は少し変わってきたのかもしれない」(小原綾斗/Vo&Gt)
Tempalayの存在感をこれまで以上に音楽シーン、リスナーの間に広めたのが、昨年9月に発表したミニアルバム『なんて素晴らしき世界』だった。万物の“始まり”から“終わり”までを様々な視点から描いたリリックとより実験性を増したサウンドスケープが融合した本作はバンドの底知れぬポテンシャルを提示した1枚となった。
「Tempalayの“面白さ”や“わかりにくさ”が良い意味で表現できた作品だと思うし、そうした音楽がこれまで以上にマスに広がっているような感覚もあります」(AAAMYYY)
「セカンドアルバムの『from JAPAN2』のほうが聴きやすさはあったと思うんですけど、たしかに『なんて素晴らしき世界』で僕らのことを知ってくれた人も多い気がします」(藤本)
そして、現在アルバムを制作中だという彼ら自身にとっても『なんて素晴らしき世界』を作ったことで見えてきたものがあるという。
「ミニアルバムを経て、俺の中ではTempalayとしてやりたいことの方向性が定まってきた感覚があって。具体的なことは言いたくないんだけど、表現していい範囲というものがわかったというか。だから今はすごく攻めの姿勢で曲づくりに臨めていると思う」(小原)
バンドを巡る状況が大きく動き出しつつある今、次のアルバムへの期待値は高まるばかりだ。そのことをメンバーも自覚している。
「たぶん音楽業界や音楽評論家の人たちも含めて今のTempalayは注目されていると思うんです。そこで俺たちは新しい音楽の形や土俵を広げるということができたらと思っています。もちろん売れたいという思いもあるけど、そのために何かに迎合したり便乗したりすることはしたくない。良い意味で期待や求められていることを裏切りたい。天の邪鬼なので」(小原)
「Tempalayはメロディや歌詞、フレーズといった部分でリスナーがグッとくるポイントは常に押さえていると思うし、だからこそあとは何をしてもいいんだと思う」(AAAMYYY)
最後にメンバー3人にミニアルバムのタイトルにちなんで、今自分たちが生きる世界が素晴らしいと思えるかを訊いてみた。
「今はネットがあるからいろんなところにすぐ手が届いてしまうけど、でもそれで満足できない自分もいて。かといって積極的に外に出て人やものと出会うことに煩わしさも感じたり……すごく狭い世界で生きているというのかな。そこでいかに自分の世界を広げていけるかが大事な気がしています」(藤本)
「多くの人が他人に対して無関心だし、狭い世界に閉じこもりがちなのかなって。そこで自分たちが何をチョイスするか次第で世界は変わると思う。Tempalayは音楽を通してそれができていると思います」(AAAMYYY)
「これからの時代に必要なのは想像力。経済でもなんでも想像力が物事を動かしていくと俺は思っていて。そのためには音楽も含めた芸術表現の在り方が重要になってくる。一から十まで説明してしまうことほどつまらないことはないと思っているし、だからこそTempalayの音楽は聴き手の想像力を刺激するようなものにできたらと思っています」(小原)
アルバム情報
2019年6月5日(水)発売
価格:2,600円(税抜)
ツアー情報
TOUR「21世紀より愛をこめて」
2019/6/6 (木) 京都 / 磔磔 (18:30/19:00)
2019/6/21 (金) 金沢 / GOLD CREEK (19:00/19:30)
2019/6/22 (土) 新潟 / GOLDEN PIGS BLACK (18:30/19:00)
2019/6/23 (日) 仙台 / spaceZero (17:30/18:00)
2019/6/28 (金) 岡山 / YEBISU YA PRO (19:00/19:30)
2019/6/29 (土) 大阪 / Shangri-La (18:30/19:00)
2019/6/30 (日) 名古屋 / APOLLO BASE (17:30/18:00)
2019/7/3 (水) 東京 / LIQUIDROOM (18:30/19:30)
2019/7/5 (金) 福岡 / the voodoo lounge (19:00/19:30)
2019/7/6 (土) 広島 / CAVE-BE (18:30/19:00)
2019/7/7 (日) 高松 / TOONICE (17:30/18:00)
2019/7/20 (土) 札幌 / BESSIE HAL (18:30/19:00)
前売り¥3,000(スタンディング・税込・1ドリンク代別途)
一般発売:5/11(土)10:00~