HARUKI MURAKAMI
9 STORIESについて
「HARUKI MURAKAMI 9 STORIES」は村上春樹の9つの短篇小説を、フランス人アーティストのJcドゥヴニとPMGLが漫画化するシリーズ作品です。
もともと村上春樹作品の大ファンであった2人の作者の強い思いで実現したこのシリーズ。彼らは原作を深く読み込んだ上で、独自の視点とこだわりを自分たちの作品に織り交ぜていき、まったく新しい村上春樹作品を提示してくれます。原作と読み比べながらその解釈を味わうもよし、初めて出会う村上春樹作品のきっかけとして手に取るもよし、子どもから大人まで様々に楽しめる作品群です。
フランスの漫画はバンドデシネと呼ばれ、その多くは大判のハードカバー、そしてページごとに統一されたカラーが特徴で、本作もその形式が魅力となっています。また、作品ごとに工夫され変化に富んだ絵のタッチや遊び心のある細部の描き込みなど、時間をかけて読み込むほど発見があるはずです。
原作は『神の子どもたちはみな踊る』などに収録された村上春樹の代表的短篇小説から、編訳アンソロジーに収録された隠れた名作まで、バラエティ豊かな選りすぐりの9篇をラインナップ。世界に先駆けて日本の読者におくる、新しい村上ワールドをぜひお楽しみください。
ARTICLES
『どこであれそれが見つかりそうな場所で』
Jc ドゥヴニ & PMGLインタビュー
フランス人アーティストが村上春樹の短編をバンド・デシネ化するシリーズ「HARUKI MURAKAMI 9 STORIES」。その第6巻『どこであれそれが見つかりそうな場所で』の刊行記念として、翻案を手がけるJc ドゥヴニと漫画を担当するPMGLの2人に、原作への興味深い考察や制作の秘密について話を訊いた。
「ギフトにうってつけのバンドデシネ」
フランス大使館 サラ・ヴァンディ & カミーユ・レギユ
実はフランスやヨーロッパでは、誕生日はもちろん、クリスマスのギフトブックとして長い歴史と人気があるという「バンドデシネ」。フランス大使館の文化部のサラ・ヴァンディとカミーユ・レギユに、ギフトブックとしてのバンドデシネについて話を訊いた。
漫画批評家・夏目房之介 特別講義(全4回)
「コマ」や「線」といった漫画の表現方法に着目し漫画を批評する手法を確立した、日本漫画批評の第一人者、夏目房之介さん。そんな夏目さんに訊いた漫画の表現方法や漫画と社会のつながり、歴史についてを講義形式でお届け。
バンドデシネ翻訳家・大西愛子インタビュー(全4回)
クールな黒猫私立探偵が主人公のハードボイルドマンガ『ブラックサッド』などの翻訳を手がける大西愛子さん。もともとマンガには詳しくなかったという大西さんがBD翻訳に携わることになったきっかけや、「HARUKI MURAKAMI 9 STORIES」について語ってもらいます。
「ON THE バンドデシネ ROAD」
Leçon 2 フレデリック・トゥルモンド(全4回)
バンドデシネの本場・フランスで生まれ育ち、現在日本でバンドデシネの出版やイベント活動を行う出版社「ユーロマンガ」主宰のフレデリック・トゥルモンドさんに訊く、バンドデシネと漫画の違いや「海外マンガフェスタ」について。
「ON THE バンドデシネ ROAD」
翻訳家・原正人(全4回)
様々なバンドデシネ作品の翻訳を手がけ、バンドデシネを日本に発信する活動を続けている翻訳家・原正人さん。そもそも「バンドデシネ」とは何なのか、フランスの出版事情や、今気になる一押しの作品まで、多岐にわたりお話を伺いました!