細田作品では『サマーウォーズ』の長野県や『おおかみこどもの雨と雪』の富山県など、これまで日本の実在の場所が舞台となってきた。最新作『竜とそばかすの姫』の舞台は高知県。本作で描かれる景色をめぐった
TEXT: SWITCH
©︎2021 スタジオ地図
鏡川/仁淀川
『竜とそばかすの姫』では「鏡川」と「仁淀川」、この二つの川が重要なモチーフとして登場し、物語を彩る。高知市内を流れ、市民の憩いの場でもある鏡川。その鏡川について本作の美術監督を務めた池信孝はこう語る。
「鏡川は季節と時間帯によってさまざまに表情を変える重要な舞台。しかしコロナ禍の影響で高知に取材に行けなかったので、高知フィルムコミッションの協力を仰ぎ、リモートで現場の写真素材を撮っていただきました。こちらの細かい要求に辛抱強く応えてくださったのですが、特に数日にわたって撮っていただいた、夕方の時間帯の川の微妙な変化がわかる素材は大いに参考になりました」
もう一方の仁淀川は日本随一の清流として知られる川。その水の美しさは“仁淀ブルー”と称されている。
「最初の打ち合わせで細田監督から、仁淀川の“青”についての説明がありました。写真を見て、その青さと透明度に目を奪われたのを覚えています。監督は『美術』と『撮影』の力でこの川の美しさを表現したいと。しかし川を青く描くのはアニメーションの美術ではありきたりな表現であり、不用意な描写ではむしろ安っぽい仕上がりになってしまう。そこが頭の悩ませどころでした」
高知県を流れるこの2つの川が映画でどのように描かれているのか、ぜひ劇場で確かめてほしい。
安居渓谷水晶淵
西日本最高峰、石鎚山系の森から流れ注ぐ仁淀川支流の安居川。その上流部にある安居渓谷は原始林に囲まれた山と美しい“仁淀ブルー”の渓流が続く景勝地。渓谷奥に位置する「水晶淵」はとりわけその青さを堪能できる場所だ。映画ではすずの幼少期の思い出の場所として登場する。水晶淵の少し奥にある水のカーテンが美しい砂防ダムや渓谷のシンボルである「飛龍の滝」など、周辺には他にも美しいスポットが多数ある。山深い場所にあるため、渓谷までは貸し切りタクシープランがおすすめ。詳細は仁淀ブルー観光協議会(0889-20-9511)まで。
JR 土讃線伊野駅
JR土讃線高知駅から須崎方面行きの列車に乗り約20分、吾川郡いの町にある伊野駅。すずが高校への登下校の際に利用する駅である。駅舎内の描写は、路線図や地面の点字ブロックまで忠実に再現されており、背景美術のこだわりが感じられる。駅前の交差点の風景も映画中盤で登場。いの町は生姜栽培発祥の地とされ、生姜を使ったグルメが有名。伊野駅近くの各飲食店では豚の生姜焼きやピザ、ケーキなど生姜を使った様々なメニューを提供している。駅から徒歩数分の場所には、現存する日本最古の路面電車「とさでん」の“伊野駅”もある。
TRAVEL GUIDE TO ENJOY KOUCHI
映画『竜とそばかすの姫』の主な舞台となる高知市内と仁淀川エリア。映画に描かれる場所以外にも魅力的な場所はたくさんある。高知の魅力をより深く知ることのできる名所・名店をここで紹介する
高知県観光キャンペーン「リョーマの休日」
本キャンペーンサイトでは「あなたの、新休日。」をコンセプトに大自然を体感するアクティビティをはじめ、地元の人とふれあうことができる様々な体験や、坂本龍馬などの偉人を生んだ歴史探訪、カツオのタタキに代表される豊富な食資源を活かしたグルメ情報など、訪れる人それぞれにとって魅力的な「新しい休日」を見つけるコンテンツを紹介している。映画のモチーフとなったスポットの情報なども掲載しているので、高知を訪れる際はチェックしてほしい。詳細は「リョーマの休日」で検索。
リョーマの休日キャンペーン推進委員会(高知県観光政策課内)
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