ジョナサン・アンダーソンがキュレーションを行った展覧会「On Foot」を現地からリポート

TEXT: Horiuchi Yuuki

 
ロエベ、そして自身のブランドJW Andersonのデザイナーとしてファッション業界を牽引するジョナサン・アンダーソンが展覧会をキュレーションし、拠点とするロンドンにて開催している。
 

ジョナサン・アンダーソンキュレーション「On Foot」


「On Foot」と名付けられた本展覧会は、ロンドン中を歩きまわる様子をイメージしてさまざまな年代の作家が選出された。ロエベやJW Andersonの過去のコレクションからもドレスやニットなどのアイテムが展示されており、現代アート、陶芸、ファッションまで、芸術の垣根を超えた展覧会となっている。

ジョナサン・アンダーソンキュレーション「On Foot」

会場は3階建てのギャラリーで、壁はオレンジや赤などの鮮やかなリネンで覆われており、部屋ごとにテーマが見受けられる。ピンクの部屋には、花をモチーフとした絵画やコラージュ作品と共に、窯の中で焼成中に爆発してしまったという陶芸家ルーシー・リーによる器が置かれていた。割れてしまった器を花に見立てるというディレクションは、まさに今シーズンのJW Andersonのコレクションにも通ずる「実用性と遊び」が体現されているようだ。廊下や階段などにも作品が点在する見どころたっぷりの展覧会であるが、その中でも2階の奥にひっそりと存在する”鳩の部屋”は見逃せない。2022年の秋冬メンズコレクションで一躍話題となった鳩のクラッチバッグを中心に、イギリス人画家ルシアン・フロイドの鳩の絵画などが展示されたユニークなインスタレーションが静かに待ち構えている。「街は無限のインスピレーションをくれる」というジョナサン・アンダーソンの確かな審美眼に基づいた、センス溢れるセレクションになっている。

ジョナサン・アンダーソンキュレーション「On Foot」

また、この展覧会のために英国のアーティストである アンシア・ハミルトンが JW Anderson とのコラボレーションアイテムとしてアイコニックな鳩のクラッチバッグを限定エディションを制作。こちらのアイテムはOffer Waterman(オファー ウォーターマン)と、JW Anderson のソーホー店で展開されている。

展覧会は9/16、ロンドンファッションウィークでのJW Andersonのショー当日に関係者向けのプレビューが行われ、現在は一般公開中。メイフェアにあるOFFER WATERMANで10/28まで、入場無料で開催している。