2月15日発売『MONKEY vol. 35 特集 ポール・オースター 君に物語を語りたい』

2月15日発売の今号は、「ポール・オースター 君に物語を語りたい」と題した、2024年4月に逝去したアメリカの作家、ポール・オースター特集です。

 1947年ニュージャージー州ニューアーク生まれのポール・オースターは、1985年から86年にかけて発表した「ニューヨーク三部作」で注目を集め、その後、『ムーン・パレス』『リヴァイアサン』『幻影の書』などの小説から、評論、エッセイ、映画シナリオまで多岐にわたる創作を続け、現代アメリカ文学を代表する作家として活躍。その数多くの作品の中から、最後の数年に執筆された小説や評伝を中心に、オースターの声と物語を贈ります。

晩年の未邦訳作品の一部を掲載

 本特集では、オースターが2006年にスペイン皇太子賞文学部門を受賞した際のスピーチ原稿「君に物語を語りたい」や、妻を亡くした初老の男がその喪失に向き合っていく日々を描く、遺作となった長篇『バウムガートナー』の第4章を掲載。さらに、大長篇『4 3 2 1』よりもあとに執筆された、壮絶な人生を送った19世紀の作家の生涯と作品を論じた大著『燃える若者 スティーヴン・クレイン評伝』の抄訳にくわえて、写真家スペンサー・オストランダーとの共著『殺戮の国』所収のアメリカの銃暴力について考察した評論を収録(以上すべて柴田元幸による訳し下ろし)。

妻による回想録、貴重なポートレイト、柴田元幸による全作品解説を掲載

ポール・オースターの妻で作家のシリ・ハストヴェットが、現在執筆中の回想録の一部を「ANDを悼む」と題して掲載。また、義理の息子で写真家のスペンサー・オストランダーが撮影した、晩年の書斎の様子や家族と触れ合うプライベートな姿を捉えた貴重なポートレイト集も収録。さらに、柴田元幸によるオースターの著作全58冊の解説や、対談やインタビューからオースターの印象的な発言を抜粋した語録集など、作家ポール・オースターの軌跡をたどる永久保存版特集です。ぜひお手にとってご覧ください。