■ACT――男の人にライバル心
――あとは撮影スタジオで撮ったものが2つあるのですが、1つが「ACT / トランスジェンダーの冒険」。男の子と女の子を各7キャラクターずつ演じていただきました。これは神藤剛さんに撮影してもらったのですが、撮影は大変でしたね。
のん 時間がタイトだったこともあって、ドタバタでしたね。早着替えにメイク直し。でも、私よりもヘアメイクさんとスタイリストさんがバタバタしている感じでしたが。
――スタジオの1階部分が撮影スタジオで、メイクルームが2階だったんですよね。その2箇所を階段で繋ぐという造りだったのですが、撮影はいかがでしたか。
のん パパパパパッと上がって、メイク直して、髪型を変えて、パパパパパッと1階に降りてということの繰り返しでした。後半、息が上がってきて。撮影のときは動きを止めるために息を止めたりするんですけど、息を止めていられないというか、座っていられないというか。「もういいですか!?」って(笑)。
――色々なキャラクターを演じる中で難しかったものもあると思います。
のん これ(本誌P42上段右)はアートな女子の対比の男子なんですけど、最初はアートな感じとか、カチッとした感じだったんですが、実際に出来上がった写真を見るとお笑い芸人さんにも見えるし、成金親父にも見えるし、不思議な感じになっちゃいました。でも、面白い感じに仕上がってよかったと思います。
――このテーマのセレクトは結構こだわっていましたね。
のん そうですね。ここはグラデーションになっているイメージだったので、隣り合う男子と男子はどうやって演じ分けるのか、という感じでした。
――男の子に見えるっているか、イケメンに見えるなんて声もありますよね。
のん ああ、そう言ってもらえると嬉しいです。
――男の子を演じるってことに関してはいかがでしたか。
のん 楽しかったです。男の人に対してライバル心があるので。
――本誌をお読み頂くと分かるのですが、インタビューの際もそうおっしゃっていましたね。
のん いろんな方達を想像しながらやっていました。これ(本誌P41上段左)は衣装的にRADWIMPSの野田洋次郎さんを想像してみたんですけど難しかったですね。
これ(本誌P42上段中)とかは髪型とかで、ちょっと矢沢さん。
こっち(本誌P42下段中)の女の子とかは野宮真貴さん。
一番「これはイケるのか?」ときつかったのは、このぶりっ子(P41下段左)。のん的には新鮮だと思うんですよ。一番難しかったです、ぶりっ子。
――ご自分のキャラからは一番遠い。
のん そうですね(笑)。
――でも、この企画は面白かったですね。
のん 面白かったですね。やっていたら面白いのですが、研究しなきゃなとも思いました。
■FLOAT――永瀬さんとワルイちゃん
――最後は「FLOAT / 未来への冒険」ですね。最初このコーナーは「FUTURE」としていたのですが、最終的に全タイトルを動詞に統一するために「FLOAT」としました。レトロフューチャーをテーマに写真家の永瀬沙世さんに撮っていただきました。撮影はすごかったですね。
のん すごかったです。あのスタジオに敷かれていたのはなんだったんですか。
――あれはミラーシートといって、鏡面になるシートを床に敷いたんですよね。これは永瀬さんが少し前にやった展示で、会場にミラーシートを床に敷いていたんです。それが今回の企画にマッチしたので、今回も取り入れたということです。スモークも焚いてましたね。
のん 焚いてましたね。スモークも好きでした。衣装も未来的な感じで。あとお気に入りなのが、このコロンとページを転がるイメージの構成です。
――そうです、本当はこのページ(本誌P58-59)は縦に見るべきページなんですよね。
のん 写真を反転させて掲載するアイデアはすごいですよね。永瀬さんとの撮影は3度目くらいでした。
――今回の写真家の中では唯一の女性です。
のん 永瀬さんと初めて撮影をしたときに、のんが作った「ワルイちゃん」というキャラクターのキーホルダーをスタッフがカバンにつけていたんです。それを永瀬さんが見て「ええ、これすごい好きなんですがどこで売っているんですか?」とおっしゃっていて。のんが作っているって知らずに、LINEスタンプを使ってくださっていたんです。すごく嬉しくて「ぜひ使ってください」ってワルイちゃんの缶バッジを差し上げたら、ずっとマフラーにつけていて下さいました。嬉しかったです。
――今はワルイちゃん以外にもキャラクターは作られているのですか。
のん そうですね。キャラクターも発展させたいですね。
■2018年の抱負
――では最後になるのですが、のんさんの2018年の抱負を教えて頂けますか。
のん 今年はアルバムが出るので、それに合わせてツアーをやりたいなと計画しています。あとは、のんが映像を作る企画があって、それを今編集中で、面白くしたいなあと思っています。一言でまとめないといけないですよね(笑)。そういう“面白いっぽい”ものをみなさんに楽しんで頂きたいです。頑張ります!
――ありがとうございました。のんさんでした。
のん ありがとうございました。
▶︎『SWITCH Vol.36 No.2 のん 7つの冒険 SEVEN WONDERS OF NON』