絵本紹介
日本でもロングセラーとなった『どこいったん』、権威ある児童書の賞である米コールデコット賞と英ケイト・グリーナウェイ賞をW受賞した『ちがうねん』など、その著作が世界中で親しまれている米カルフォルニア在住の絵本作家・イラストレーター、ジョン・クラッセン。そのクラッセンが昨年発表した新作絵本『ドクロ』を、翻訳家・柴田元幸の訳により刊行します。
原書The Skullは2023年7月に刊行されるやいなや、ニューヨーク・タイムズ誌の絵本ベストセラー・リスト週間第1位を獲得。同年の米老舗書評誌カーカス・レビューによるカーカス賞最終候補や、ウォール・ストリート・ジャーナル誌ベスト・ブック・オブ・ザ・イヤー(児童書部門)にも選出されました。
少女と“ドクロ”との交流を描いた本作『ドクロ』には、洗練されたデザインやイラストレーション、機知に富んだユーモア、温かくも不気味なストーリーなど、クラッセンらしいエッセンスが詰め込まれています。巻末には、本作執筆の不思議な顛末が綴られた著者あとがき、作家と作品の魅力を解説した柴田元幸による訳者あとがきも収録。
インタビュー
『MONKEY vol. 32 特集:いきものたち』に掲載された、
柴田元幸が聞き手を務めたジョン・クラッセンへの
インタビュー「闇がそこにあるという実感」を特別公開!
MONKEY第2号に素晴らしい表紙を描いてくれた絵本作家ジョン・クラッセンの新作『ドクロ』は、チロル民話が作家の想像力によって一から生まれ変わった傑作である。
幸運なことに、この素晴らしい本の拙訳を、スイッチ・パブリッシングから刊行できることになった。
以下は刊行を機に作者に受けてもらったメール・インタビューである。
国を超え言語を超えてアーティストたちがたがいにインスピレーションを与えあう、その一環を垣間見ることができてとても興味深い。(柴田)
訳者の贔屓目かもしれないが、デビュー以来良質の作品を
発表しつづけているクラッセンの作品群の中でも、
本書は最高傑作の部類に属すと思う。
—— 柴田元幸
プロフィール
ジョン・クラッセン Jon Klassen
1981年生まれ。カナダ出身の絵本作家、イラストレーター。2012年刊行の『ちがうねん』は、権威ある絵本の賞であるコルデコット賞とケイト・グリーナウェイ賞をダブル受賞。他に『どこいったん』、『そらから おちてきてん』、絵のみを担当した『木に持ちあげられた家』(テッド・クーザー作)など。その著作は世界各国で翻訳され、親しまれている。ロサンゼルス在住。
柴田元幸 Motoyuki Shibata
1954年生まれ。米文学者、東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウンなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。著書に『ケンブリッジ・サーカス』、訳書にジャック・ロンドン『犬物語』、マシュー・シャープ『戦時の愛』など。2017年、翻訳の業績により早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』の編集長を務めている。
ニュース
【トークイベント】
[ 2024年4月20日(土)14時〜]
紀伊國屋書店 新宿本店 登壇:柴田元幸
【パネル展】
[ 2024年4月15日(月)〜]
twililight
[ 2024年4月20日(土)〜5月11日(土)]
恵文社一乗寺店
書誌情報
関連書籍
MONKEY vol. 2
特集:猿の一ダース
表紙:ジョン・クラッセン
ブライアン・エヴンソン/川上未映子/
村上春樹/スティーヴン・ミルハウザーなど
発売日:2014年2月15日
ページ:160P
価格:1,320円(税込)