新型コロナウイルスもようやく収束の兆しを見せ、再び海外旅行が日常に戻りつつある昨今だが、いかに地球に負荷をかけない暮らしをするかという観点から旅のあり方も今まで通りにとはいかなくなってくるかもしれない。デルタ航空と考えるこれからの空の旅。
世界的なパンデミックによって移動することを制限されてきたが、各国の入国制限の緩和によってようやく海外旅行も復活しつつある。小誌も旅の雑誌ではありながら、3年ぶりに海外取材が実現できた。
パタゴニアの本社があるベンチュラまでの旅にはデルタ航空を利用した。羽田空港からロサンゼルス国際空港までのフライト時間はおよそ10時間、空港からべンチュラまではレンタカーでおよそ1時間半の行程だった。10時間と聞けば長く感じるかもしれないが、機内サービスを楽しみながら、全席に装備された「デルタ・スタジオ」で新作映画を数本観て仮眠をとれば、いつの間にか飛行機は太平洋を飛び越えているのだから決して苦ではない。今回特にありがたかったのは、パタゴニア・フィルムズを集めたチャンネルがあったことだ。日本では公開前だった『フォーム・ダスト』や『ダムネーション』などを鑑賞し、取材の予習ができた。
これら自然環境に関するドキュメンタリーを観ながら、これからの時代の旅のあり方を考える。コロナ禍で人間の活動が抑えられたことで、自然環境にはいい側面があったというニュースを見たことがある。飛行機による移動も、環境に負荷を与えていることに変わりはない。世界には三千五百を超える空港があり、毎日万単位の飛行機が空を飛んでいる。ジェット燃料は天然の原油から精製されるため、CO2の削減は航空分野においても大きな課題だ。
ではどうしたらいいのだろう。現代のグローバル社会において人の移動は止められないし、旅は人生を豊かにしてくれる。今回デルタ航空を選んだ理由は、航空業界でもいち早く環境に配慮した取り組みを行なってきたからだ。例えば、2020年には二百機を超える旧式の飛行機を退役させ、従来モデルより25パーセントも燃料効率の優れた新型機の導入を進めている。さらに機内サービスにおいては、使い捨てプラスチック製品を廃止するなど早くから取り組みを始めている。
コロナ禍において、いかに旅や観光が、人が生きていくうえで必要なことかを思い知らされた人も多いだろう。知らない土地を訪れ、人と出会うことは人生を豊かにしてくれる。だからこそ将来的に、旅をすることに罪悪感を感じてしまうようなことがあってはいけない。そのためにまずできることが、環境に配慮した航空会社を選ぶことなのだ。そして旅の醍醐味はその過程をいかに楽しむかなのだと、今回の旅を通じてデルタ航空から教わった。
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